設計士の目で選ぶ、本当に良い土地の見つけ方

公開日:2026/05/01(金) 更新日:2026/05/01(金) 社長ブログ

土地選び、何から考えますか?

家作りを始めるとき、多くの方がまず向き合うのが「土地探し」です。

 

「学校から近い方がいい」「なるべく広い土地がほしい」「予算内で納めたい」 そういった条件を手がかりに、不動産サイトを眺めたり、現地を見に行ったりする方も多いのではないでしょうか?

 

もちろん、価格・立地・広さは土地選びの大切な軸です。でも、長年設計と営業の両方に携わってきた私の経験から言うと、その3つだけで土地を決めると、後から「こんなはずじゃなかった」と感じるケースが少なくありません。

 

今回は、設計士の視点から見た「本当に良い土地の選び方」をお伝えしたと思います。不動産会社のチラシには載っていない話も含めて、少しでも参考になるお話をしたいと思います。

 

 

まずは押さえておきたい、土地選びの基本条件

 

設計の話の前に、「基本的なチェックポイント」を整理しておきましょう。意外と見落とされがちな項目ですが、これを見逃すと建設コストや暮らしの安全性が大きく変わることがあります。

 

①上下水道は引き込まれているか?

土地によっては上水道・下水道がまだ引き込まれておらず、建設前に引込工事が必要なケースがあります。この費用は数十万になり、土地の価格だけを見ていると予算オーバーの原因になります。

 

②高低差はあるか?

道路と土地の間などに高低差があると、擁壁工事が必要になることがあります。高低差が大きいほど工事費も増し、場合によっては数百万単位のコストになることも。現地で必ず確認したいポイントです。

 

③排水の側溝はあるか?

雨水や生活排水を流すための側溝が整備されているかどうかも重要です。整備されていない場合、排水計画を別途考える必要があり、設計・工事の両面に影響します。

 

④造成工事は必要か?

土地の形状や地盤の状態によっては、建物を建てる前に造成工事が必要なことがあります。

 

⑤農地転用の手続きは必要か?

農地(田・畑)として登録されている土地は、住宅を建てる前に造「農地転用」という手続きが必要です。許可が下りるまで時間がかかる場合もあるため、スケジュール管理の観点からも、早めの確認が必要です。

 

⑥ハザードマップを必ず確認する。

土地を検討する際は、必ずハザードマップを確認して下さい。洪水による浸水想定区域、土砂災害の危険度を示す、警戒区域(イエロー)特別警戒区域(レッド)など、複数のリスクを地図上で確認できます。

価格が安い土地には、こうしたリスクが背景にある場合があります。国土交通省のハザードマップサイトなどで、無料で確認できますので、候補の土地が決まったら必ず調べるようにしてください。

 

これらは「土地の表示価格」には含まれていないリスクとコストです。土地を検討する段階から、住宅会社に相談されることを強くおすすめします。

 

 

設計士だからわかる、土地の「ポテンシャル」

 

基本的なチェックを済ませた上で、次に私が必ず見るのが「この土地には、どんな可能性があるか」という視点です。

そしてもう一つ、現場でよく目にして残念に感じることがあります。それは、せっかくの土地のポテンシャルを活かしきれていない家の設計です。

土地の価値を台無しにしてしまう、よくある例。

例えばこんなケースです。

 

 ・南側に大きな窓を設けたのに、そこに見えるのは隣家の裏壁だけ。日も当たらず、カーテンを開けることもできない。

 ・道路から室内が丸見えになる位置に大きな開口を作ってしまい、結果としてずっとカーテンを閉めたまま生活している。

 ・外構計画を後回しにしたため、駐車スペースと庭との導線が使いにくく、毎日の生活がストレスになっている。

 

これらは、設計や外構計画を土地と切り離して考えてしまったために起こることです。土地を選ぶ段階から、「この土地にどんな家が建つか」「道路との関係はどうなるか」「外から見た時の見え方はどうか」をイメージしながら検討する事が、とても重要です。

道路が南側にあるのか、北側にあるのかによって、玄関の位置・駐車場の取り方・日当たりの確保の方法が全く変わります。また、隣家の建物の位置や高さも、窓の計画に大きく影響します。土地と建物と外構は、最初から一体で考えるものなのです。

 

土地が持つ「景色の価値」を見る

 

私が土地を見るとき、まず確認するのは「どこかに視線が抜ける場所があるか?」です。

遠くの山が見える、田んぼが広がっている、空が広く感じられる。 住宅街であっても隣家の庭越しに風景が広がっている、そういった「視線の抜け」がある土地は、それだけで大きな魅力を持っています。家の中にいながら外の景色を感じられる設計ができるからです。

出雲・松江・雲南エリアには、山の稜線や田園風景など、都市部では得られない「景色の資産」を持つ土地が多くあります。その価値に気づけるかどうかが、設計士としての腕の見せどころでもあります。

 

日当たりと「南面の余白」、そして設計の逆転発想

 

住宅設計において、日当たりは暮らしの質に直結します。特に重要なのが「南側にどれだけの余白が取れるか」です。南側に十分な距離があれば、大きな窓から日差しをたっぷり取り込む設計が可能になります。

ただし、南側の条件が悪いからといって、即座に「この土地はNG」とは思いません。

例えば南側に隣家が迫っていて1階への日差しが期待できない土地でも、吹抜け+2階からの採光という設計の工夫で、1階まで明るく照らすことができます。

「条件が悪い土地」を「素敵な家が建つ土地」に変えるのが、設計の力です。逆に言えば、どんなに条件の良い土地でも、設計の視点なしに選べば台無しになることもある。だからこそ、土地と設計はセットで考えることが大切なのです。

 

土地を見る目は、設計の知識から生まれる

 

土地選びは、家づくりのスタートラインです。

価格・立地・広さは大切な条件ですが、それだけでは見えないものがたくさんあります。建設前にかかる費用の把握、ハザードマップによる安全確認、景色や日当たりのポテンシャル、道路・外構との関係、そして設計の工夫で克服できる条件。  こういった視点は、不動産会社のチラシには載っていません。

 

私たちタケシバ建設は、設計と営業の両方の視点から、土地探しの段階からお客様に寄り添うご提案ができます。「この土地、どう思いますか?」という気軽なご相談も大歓迎です。

気になる土地が見つかったら、ぜひ一度お声掛け下さい。一緒に、その土地の可能性を探しましょう。

 

土地選びのご相談はこちらから

1ページ (全12ページ中)